2012年11月1日木曜日

マンモス授業は必要悪か(1)

かつて、大学は、マンモス大学、マスプロ教育といわれ、大講義室での授業に対して、批判されることが多かった。確かに、一方通行の講義、黙って聞くだけ、黒板を写すだけの授業に、これで教育なのかとも言われた。もちろん、大量生産、大量消費の時代の反映として批判された。その後、マンモス授業は好ましくない、少人数が良い、ゼミはもっとよい、に多くの大学が切り替えた。
しかし、それは本当に正しいのだろうか。たとえば、武蔵でも200人を上限にしようと決めている。しかし、ほんとうに、それでいい授業ができるのだろうか、と実は疑問に思っている。
その第一は、人数が少ないのは、必要条件かもしれないが、十分条件ではないことである。教員に教える技術、意欲が伴わなければ、人数だけ少なくしても、何も変わらない。
多くの学生が殺到するような授業であれば、学生の興味も高く、それにうまく応えるというのが、大学の、もうひとつの責任であると思う。単に、時間割の都合だけで履修するわけではないだろう。
経営の観点からも、一人の教員が、多くの学生に学ぶ機会を提供し、そして、多くの学びができるのであれば、教室の大きさ、履修生が多いということは、却って生産性を高め、効果的なのではないだろうか。
私は、結果としてそんな授業を目指してきた。結果としてというのは、それを目的としていたわけではないが、今も、300人の授業、3年前は600人の授業を実施してきたからである。しかし、学生の満足度、学びの自覚は決して低くなかった。多くの学生が履修を希望しているなら、喜んで、受け入れるべきだし、そこで効果的な授業をすればいいだけである。IT,eラーニングなどを活用してきたからこそ、実施できたと思っている。どんな授業だったか、次から紹介したい。

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