2012年11月7日水曜日

大規模講義を、どのように実施するのか(1)ワンツーワン

教育は、字の通り、教え育むである。教えるとは、教師が知識をしゃべるだけでなく、学生が理解したかどうかまで、把握することが、教える、である。そして育むとは、個々の学生が育つよう、成長するように、指導する、ことである。それは教室の大小、学生の多少とは関係ない。つまり、学生個人を対象として教育は行われるはずである。
このように、私は、本来、教育とは、ワンツーワンであるべきと考えている。しかし、そんな大勢を、個人個人に教育するなんて、不可能だという反論があるだろう。大学教育は、家庭教師じゃない、個人指導じゃないというだろう。しかし、ワンツーワンは個人指導と同じ意味ではない。個人を個人として意識し尊重することである。大事なのは、学生が、教員は自分に向いて教えてくれていると感じさせることにある。
教壇から学生に向かって話すだけではもちろんワンツーワンになりようもない。質問するだけでもワンツーワンではない。前回、どう答えたか、それが、次の質問で、どう成長したかを把握しなければワンツーワンではない。教育の目的は、学生個人がいかに成長したかを実感させることにあるからだ。
クラス、100人をマスとして知識を投げるのはワンツーワンではない。個人に向かって知識を届け、その反応を確認しなければ、ワンツーワンではない。
ではどうするのか。教室だけではなく、複数のチャネルを活用し、常に個人にアプローチするのである。もちろん、完璧にできるわけはないし、全員が常に反応してくれるわけでもない。しかし、個人に向かうだけで、学生の顔つきは変わる。そんな瞬間を積み重ねていくことでワンツーワンに近づく。もちろん、そのバックオフィスにIT、eラーニングがプラットフォームとして装備されていなければ、教員の負担は膨大になることはいうまでもない。

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