2012年11月21日水曜日

大規模講義を、どのように実施するのか(3)始まりは

 なぜ、講義の20分も前に教室に行っているのか。もちろん、PCの準備は時間がかかる。windowsの立ち上げ、ネットの接続、教材のダウンロード、などなど10分以上はかかる。だから、授業の間が10分しかないのは、問題ではあるのだが。
 しかし、基本は、教師が学生を出迎えるためである。学生が揃った後に、やや遅れて教員が教壇に立つなんで、私のルールにはない。迎えながら、おはようという、言わない学生、声の小さい学生には、挨拶を促す。そして顔色をみる、元気?、寝むそう、などなど。そこからすでにワンツーワンが始まる。先週、休みだった子には、どうしたの?風邪でもの引いたの、と聞く。出席など取らなくても、いつも出席している学生の顔はおぼえている。座る場所もおぼえているから、いなければ休みだし、他に移動していれば何かあったのと、声を掛ける。自分を気にしてくれていると感じてもらうためだ。そのための20分間だ。
 この間に、学生は、今日の日経新聞から、興味のある記事のタイトルを黒板に書いてもらう。4から5つくらいでてくる。その時間、教室を一周する。スクリーンには、日経新聞の電子版が表示されている。最新の円ドル、現在の日経平均株価なども映し出されている。前に言った大道具、小道具が揃ってくる。そして、教室を一周回ってから、今日の日経新聞を黒板に書かれた記事を中心に解説する。当然、経営情報の授業だから、それに関連して、まとめる。
 たとえば、円が高くなっていれば、輸出、輸入どっちの企業が影響を受けるか、企業名でいうとどこか、グローバルな企業はどうするか、連結決算にどう影響するかという話題になる。もはや会計情報は、グローバルに取らないといけないとも補足する。赤字の会社の記事があれば、こういうのを知らずに就職志望してはいけない。リクナビだけに頼る就職活動は危険だと述べる。
 新聞記事は、最新の生きた情報を伝えるもので、学生に、自分の問題なのだということをうまく伝えたい。

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