2013年1月7日月曜日

ゼミ授業をどう活性化するか(5)論文作成-2

みんなに、文章を書くことは、得意か、好きかと問うと、必ず苦手だと答える。この時、自分も、苦手だったし、嫌いだったと率直に言うことにしている。現に、高校生くらいまで、嫌いだったし、もちろん、書けなかったし、成績も悪かった。
それがなんとか書けるよう、また、文章を書くことが商売道具になったのは、たとえば、太宰の人間失格などの小説を読むようになったからだと思う。つまり、ええ恰好しいするのではなく、思ったことを、そのまま書いていいのだと気づいたからである。
問題は感想文から、論文へのジャンプをどう身に着けるかである。それを、「私(だけ)が思うから、みんなそう思う(はず)」だ、という文章の書き方をしないよう意識することである。
それは、学生には、感覚で文章を書くことから、技術で文章を書くことの違いだと説明している。技術で書くということは、文章を書けないのは、素質がないからでもなく、まして能力がないからでもなく、書き方を知らないだけだから、訓練すれば、だれでも、少なくとも、多くの学生が書けるようになるはずだといって、まずは安心してもらう。そして、、努力すれば身につくのだと、気づいてもらおう。
文章には、柔らかい文章と、硬い文章がある。どっちがいいというのではなく、どっちも書けるのがいいに決まっている。文章の書き方は一様ではない。飛んでいる文章、ゆったりとした文章、沈んでいる文章、走っている文章、アップダウンの多い文章、そして心が前にで文章、心が後ろに潜んでいる文章もの、などなど、多様であってよい。大事なのは、学生が、いろんな書きかたを身に着け、どれにするかを選べるようになってほしいのだ。
論文、それはもちろん、硬く書くのだ。


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