普通の大規模授業は、教員がしゃべって、出席も取らず、期末試験をして成績をつけて終わり、、である。人数が多ければ、それしかできないというのも本音である。出席を取るといえば、膨大な学生が教室に押し寄せ、おしゃべりばっかしで、授業にならない。出席を取らなくなるに違いない。
また、出席をとるというが、その労力は大変なものがある。もし出席票を配り、300枚程度を収集し、excelで作った出席簿に、マークを付けるとすると、一体、どのくらいの時間がかかるのだろうか。出席票は、番号順に並んでいないので、300人のワークシートをあっち行ったりこっち行ったりして学生番号を探してマークする。10秒/人として、6人/分、360人/時間、間違いも多く、目が血走ってしまうに違いない。だから、これを毎週、行うのは、ほとんど不可能である。
また、期末試験や課題で評価することが多いが、その一回かぎりで評価していいものだろうか。マークシートでは質的な評価ができないからと記述式、論文式の問題を課す場合も多い。たしかに書かせることは能力評価や、能力向上に必要であることは理解できる。
しかし、どんなに教員が質を重視しようとしても、それは実現困難である。300人ものレポートを、10分/人かけたら、6人/時間、で採点していたら、50時間かかる。あり得ない。実際には、せいぜい1分/人位しかかけられない。
さらに大きな問題は、この採点のための添削や評価点を学生にフィーバックする機会は、ほとんどない。成績表に、A、B、Cなどが記載されるだけである。解答用紙さえ返却されることはない。これで、まともな教育ができるとはだれも思わないであろう。
ではどうするのがよいのか。ワンツーワン授業の次の仕掛けはプロセス評価、教育学での用語でいえばフォーマティブ(形成的)評価の実施である。つまり、学生の理解度合を把握し、それに基づき、次を学習を促すことである。きめ細かな小テストなどの実施がそれにあたる。そんなことが果たして300人も履修する大講義で実施できるのか、その不可能と思えることを実行することが、今回の仕掛けであり、eラーニングを活用せざるを得ない機会でもある。
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